喫煙は脳卒中や認知症の危険因子で有り、禁煙を推進することは重要です。昨年までは長期に喫煙を続ける方のみ(ブリンクマン指数600以上)が、健康保険で禁煙プログラムを受けることが出来るようになったのですが、今年からまだ喫煙歴が浅い方でも保険で禁煙プログラムを受けることが出来るようになりました。
しかし、喫煙習慣のある方の禁煙はなかなか難しいのが現状です。そこで、子どもの頃からの禁煙運動が重要になります。熊本市民病院の橋本洋一郎先生は、2009年にくまもと禁煙推進フォーラムを立ち上げました。はじめに行ったのは、学校こそはまず禁煙プロジェクトです。そして医療機関も禁煙を、さらに市民啓発のためにスモークフリーウォ-クを計画し、2012年には禁煙戦隊ソツエンジャーのキャラクターを生み出しています。
実は熊本県はタバコ農家が多く、先生の運動には県民はやや冷ややかでした。しかし、先生の地道な活動によって徐々に賛同者が増加し、現在でも多くの成果を上げているようです。学校の禁煙など当たり前と思われるかもしれませんが、運動の初期に調査したところ、中高生の喫煙のはじめは小学1、2年生の頃からというこどもが一番多いというのです。先生の経験では、長期喫煙者が普通に医療機関を受診した際、医者がやめませんかとアドバイスするだけで2%の方が禁煙するそうです。したがって、熊本の医療機関では喫煙者に常に禁煙がすすめられ、禁煙外来の受診をすすめられるようです。
もし、遊びでタバコを口にしている小学生の方が周囲にいたならば、ぜひ参考にしてみてください。(文責 院長・若杉 直俊)