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2015年の米国医学の目標

 アメリカの疾病対策センター(CDC)は2014.12.15 健康対策のうち重要度の高いトップ10を発表しました。このうち、感染症にかかわるものが6課題あり、それぞれ①エボラ出血熱対策 ②薬剤耐性菌対策 ③エンテロウィルスD68型対策 ④中東呼吸器症候群コロナウィルス対策(MERS-CoV) ⑤HIV対策 ⑥ポリオ根絶 をあげています。
 ① ⑤ ⑥は皆さんも理解できると思います。②についてもご存じの方もいるでしょう。しかし、実際 現在使用されている抗生剤に耐性菌が出現した場合、われわれ医療人は手足をもがれたと同じになります。乳幼児・高齢者などに多大な影響が出るでしょう。③はアメリカで徐々に広がる感染症です。エンテロウィルスとは、日本で手足口病などの夏かぜの原因となるウィルスですが、このウィルスに免疫をもたず呼吸器疾患をもつ小児を中心に2014年重症な呼吸器感染をおこしました。冬場に向かって収束していますが、2015年の夏期に大流行が予測されています。④は数年前のアジアのSARS(重症型成人呼吸器症候群)のように、世界的な流行になるおそれをCDCは予測し、事前の準備に対する警鐘をならしています。
 CDCの予測が外れることを期待しますが、万一これらのことが起きても最小限の被害にとどまるよう、日頃からの対策が日本にも必要なのはいうまでもありません。(文責 院長・若杉 直俊)