日本のワクチン行政も、徐々に欧米並みになってきました。B型肝炎ワクチンの接種も来春から公費接種出来るようになりそうです。
B型肝炎とは、なんでしょうか。ウィスル性肝炎のうち 日本で130-150万人のキャリアがおり、世界では約3億5千万のキャリアがいると推測されています。キャリアとは、肝炎の症状がまだ明らかではなくとも 将来肝炎発症の恐れをもつ方々で、ウィルスを肝臓の中に持ち続けています。ウィルス肝炎の恐ろしいところは、慢性肝炎を発症し さらに肝硬変や肝癌へと進行する恐れがある点です。ほかにC型の肝炎ウィルスもありますが、これにはまだワクチンはありません。
感染経路は、出産時キャリアの母から児への垂直感染と 血液 唾液などからの水平感染があります。垂直感染には、出産時 こどもへの免疫グロブリン注射やワクチンが1985年以後保険適応され、新たな発症を防いでいます。輸血を介した感染も、日本赤十字の努力でほぼ現在はありません。しかし、注射をつかった覚醒剤使用者など不心得者には、大きな問題となっています。
合計3回のワクチンで予防が出来る事業ですので、成人・こどもを問わずぜひ接種しておきたいワクチンです。ただし、通常の生活をする限りはほとんど感染しませんから、こどもだけでもぜひ予防を施したいと思います。なお肝炎キャリアの治療に関しは、次回述べたいと思います。(文責 院長・若杉 直俊)