昔から少し小太りの方の方が長生きするといわれてきました。実際20世紀初頭まで、結核やさまざまな感染症が猛威をふるっていた時代、体力のないやせ型の方々の方が短命でした。
東北大学公衆衛生学教室の張博士は、65歳以上の1万2千人を対象に、BMIレベルと特定の疾患(認知症 脳卒中 関節疾患)の関係を調べました。それによると、BMI23未満では認知症による要介護レベルが高く、29以上では関節疾患による要介護リスクが高い事を報告しています(メディカルトリビューン2016.2.25)。したがって高齢者の至適BMIは23-29であると結論づけています。
2006年から大崎市の65歳以上の住民を、BMIレベルで6群(-21、21-23,23-25,25-27,27-)に分けて調べたところ、上記の結果が得られました。脳卒中のリスクは、BMIの階層とあまり相関がなかったそうです。20-65歳未満ではBMIは20-24.5がよいとされていますが、高齢者は少し小太り(BMI23-29)の方が調査した3疾患でよい結果がでたそうです。ロコモ症候群でもやせて筋肉の衰えた状態はよくないとされています。参考までに。(文責 院長・若杉 直俊)