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舌下免疫療法

【舌下免疫療法】
秋の花粉症の主役である ブタクサも10月いっぱいでそろそろ終了です。年が明ければ 2月半ばからスギやヒノキがまた飛び交い、鼻水や目のかゆみの季節となります。お困りの方も多いでしょう。
花粉症の治療に、アレルゲンエキスを少量から順次皮下注射して増量の後 維持量に至ってもしばらく注射してアレルギーをおさえる治療法があります。減感作療法とよぶ治療法です。この減感作療法が注射でなく、口の中にアレルゲンを滴下して行う舌下免疫療法が今年10月から認可されました。注射ではないので、家でも継続してできるのです。おそらくこの治療法が今後全国的に広がるのではないかと推察されます。その際の注意を2、3述べたいと思います。減感作療法で怖いのは、アレルゲンを投与するのでアレルギー(アナフィラキシー)反応がおきることです。皮下注射ではその反応が4.8%起きるという報告があります。海外の経験や国内の臨床治験では、舌下療法は皮下注射より低い数字が出ていますがゼロではありません。当然初期量では大丈夫でも 増量する時が危険です。また、自然に花粉が飛ぶ2-3月にこの治療を始めるのも危険です。少なくとも12月までに治療を開始するべきです。
アレルギーの症状としては、口の中のピリピリ感 頬や舌の粘膜腫脹から、全身の発赤や血圧低下(アナフィラキシーショック)までさまざまです。また、この治療中の方はβ阻害薬の併用は禁忌とされています。これは、高血圧や不整脈の治療に用いられている薬です。治療開始の前に医師と相談してください。喘息症状が出ている場合や肺機能のうち閉塞性と診断される %FEVが70%以下の場合も禁忌です。また、予期せぬアレルギー反応が出現することも予想されるので、舌下療法は午前中に行い異常があれば速やかに医療機関を受診できる様にすることも重要です。
この治療は、耳鼻いんこう科やアレルギー科を標榜する医療機関がまず行うと思います。くれぐれも主治医と相談しながら治療をはじめてください。 (文責 院長・若杉 直俊)