【病棟機能報告】
みなさんは あの病気なら○○○病院 この怪我なら×××病院などと、もし病気にかかったら受診する病院を決めているでしょう。最近は患者さんにも大病院偏重が好ましくないこと、つまりかぜでも便秘でも大学病院へという風潮が改善されています。
一方、受け入れる側の病院も毎日何十人もの救急患者を受け入れる病院から、急性期をすぎ回復期にある患者さんを中心に治療する病院まで、それぞれの特色を前面に出しています。
厚生労働省はこれからやってくる高齢者の増加を見越して、入院施設のある医療機関 いわゆる病院の特色を各自治体へ届けることを義務化しました。その種類は①高度急性期 ②急性期 ③回復期 ④慢性期 の病院という分類です。各病院は、病棟単位でどの機能を担うかの第1次登録を2014年11月14日までにすましています。もちろんこのことは、病院へ入院する際 患者さんへ説明されます。したがって病棟単位ですから、急性期の3階病棟に入院して看護師さんがたくさんいたのに、回復期の4階病棟へ移された患者さんが この病棟は看護師さんが少ないなと実感する事態も生じます。国はこのように各病院・病棟機能を把握して今後の地域医療計画をたてるのです。
このなかで①高度急性期と②急性期の分け方がわかりにくいかもしれません。①高度急性期病院とは、救命救急医療 ICU 新生児集中治療等 高度な医療を行う病院です。現在①に相当する病院は全国で2万床ですが、厚労省はこれを2025年までに18万床にする計画を立てています。そのためにしわ寄せが来るのが慢性期の病院・病棟で、この部分を在宅医療にというのが国の方針のようです。これからは、みなさん患者さんも受診する病院の特徴をつかんで受診する必要がありますが、かかりつけ医をもつことでその相談もスムーズになると思います。 (文責 院長・若杉 直俊)