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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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iPS細胞治療の発展

 以前に網膜の病気にiPS細胞を用いた治療が神戸の病院で行われ成功したことをお知らせしましたが、2015.4.24-26 日本循環器学会で、大阪大学宮川博士が重症心不全の動物にiPS細胞で作成した自己骨格筋芽細胞シートを用いることで治療できたことを発表しました。
 iPS細胞の臨床応用で問題になるのは、細胞シートに未分化な細胞が混じっていると、移植に用いた臓器とは別な臓器(この場合は心臓以外の臓器)へ分化して、移植にならないことが知られています。そこで、細胞シートから未分化な細胞を1%以下に除去する技術が必要で、宮川博士はそれを成功させたのです。博士は来年から、人体への応用をはじめることも発表しています。
 心筋の働きが悪くなる病気としては、心筋症がまずあげられます。また心筋梗塞後に合併する心不全も対象になります。それら疾患を持つ方には朗報でしょう。これからも心臓や網膜以外の、再生医療の成功が続々と報告されるはずです。そのたびごとに皆様へ報告できるよう、努力するつもりです。(文責 院長・若杉 直俊)