ねたきりの高齢者をかかえるご家族には、食事介助や排尿便の介助に日々奮闘中であることが想像されます。2016年1月21日のメディカルトリビューン誌に、阿蘇立野病院 上村院長の報告で、オゾン水による陰部洗浄でオムツの臭いが3割低減した記事がありました。
陰部の臭いはオムツ内の大腸菌などの細菌繁殖によるものであり、オゾン水を洗浄に用いることでその繁殖を抑えるというのです。その殺菌水はデオシャワーという製品名で、サントリーウェルネスから販売されています。ネットでも簡単に手に入ります。このデオシャワ-は、販売元によると本来加齢臭対策に用いるために売り出されました。これを、オゾン濃度1.5mg/Lに調整してオムツ交換後に陰部洗浄すると、上記のような効果が上げられるというのです。
一般的には、陰部洗浄にはただのぬるま湯が用いられます。それをオゾン水に変えて用いることで、本人にも周囲の方々にもよい効果をもたらすとすればすばらしい報告と言えるのではないでしょうか。この薬品自体、その経験から皮膚や粘膜への安全性が確立しています。もし、ねたきりのご家族を介護されている経験をお持ちの方は、試してみる価値はありそうですね。
(文責 院長・若杉 直俊)