EU離脱に舵を切った英国ですが、その英国では数年前からすでに保健省が国を挙げてナトリウム摂取を減らすべく、強力な権限をもって食品メーカーが作る加工食品の塩分量を規制しました。その結果英国民の1日塩分摂取量が30%以上低下したことが知られています。
これを踏襲したわけでもないのでしょうが、アメリカ食品薬品局(FDA)も食品業界に対して、2016年6月1日 自主的に塩分含有量を減らすガイドラインを示しました。アメリカ人が摂取する塩分の7割は、加工食品や飲食店で提供される食事由来だそうです。そこで草案ではパンやスープ、チーズ、ソース、菓子など150の食品カテゴリーごとに2年後および10年後までに達成を目指すナトリウム含有量の削減目標値が示されました。
現在アメリカ人が摂取しているナトリウム量は1日あたり平均3,400mg(食塩約8,6gに相当する)で、現在FDAが推奨する2,300g(食塩約5,8g)を50%も超えています。FDAの試算では、今後米国民の塩分摂取量を40%減らせば50万人の死亡を減らせ、1000億ドルの医療費削減につながるとしています。同じく米国心臓協会もこの決定を歓迎し、塩分制限によって、高血圧患者が150万人減少する試算をだしています。
ひるがえって、現行の日本では平均塩分摂取量が食塩換算で約9g、厚労省が目指す6g/日以下をおおいに上回っています。1g/日の減塩が 血圧2mmHg下げるとも言われています。くれぐれも塩分の摂り過ぎには注意しましょう。(文責 院長・若杉 直俊)