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若杉院長が医学の最新の話題を取り上げて書きます。なお、記事に関するご質問、お問い合わせにはお答えしていません。

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インフルエンザワクチン

【インフルエンザワクチン】
 冬の到来がすぐそこまでです。今年もインフルエンザの季節がやってきました。その予防は外出後の手洗い うがい 十分な栄養と睡眠をとること、さらにワクチン接種です。そのワクチンについてよく聴かれる質問にお答えします。
(今年のワクチン株は)
 A/カリフォルニア/7/2009 A/ニューヨーク/39/2012 B/マサチューセッツ/2/2012 です。ワクチンに使われるウィルス株は、WHOの専門会議で毎シーズン推奨株が北半球用と南半球用に選定されます。なお2009などと記載されているのは、その年に流行し地名はその地では流行したワクチン株です。
(接種間隔は)
 13歳以上は1回接種でいいのですが、13歳未満では2-4週の2回です。過去の報告では、1-4週間隔の4群に分けて学級閉鎖率をみたとき、4週間隔群が一番低かった報告があります。しかしその差はわずかです。
(13歳未満で1回しか受けていないが意味はないか)
65歳以上では1回接種で十分な予防が可能との報告はあります。13-64歳では5年以内にフルにかかったり 前年ワクチン接種をしていれば1回で十分であるという報告もあります。海外では、13歳未満でも初年度は2回 翌年以後1回のみという国もあります。全く接種しないより1回でも接種をおすすめします。
(ワクチン接種後どれだけ効果が続くの)
 個人差はありますが、2回接種の報告では接種後1-2週で抗体が上昇し、2回目接種後1ヶ月がピーク、3-4ヶ月後に低下傾向を示すといわれています。しかし、フルの流行がいつ起こるかわかりませんので11月中の接種開始をおすすめしています。
(ワクチンの添加剤が心配だ)
 ワクチンには添加物としてアジュバント 保存剤 安定剤などが含まれています。このうち保存剤のチメロサールが妊婦に悪いという噂が流れています。どんな物質でも多量に摂取すれば体に害がありますが、ワクチンに含まれるチメロサールは微量であり医学的には問題なきものと考えます。
 接種時に疑問があれば、ぜひ接種医に相談してください。

 
(文責 院長・若杉 直俊)